戦闘(ラウンド処理)

 肉弾戦でなくとも、実行力を使って行動するさまざまなラウンド進行の遊びに拡張できます。

 戦闘の主な目的は、相手に健康を超える怪我を負わせ、戦闘から脱落させることです。怪我を負わせる(ダメージを与える)ためには、 まず相手の姿勢を崩して隙をつくってから攻撃しなければなりません。この姿勢が保たれているかどうかは、姿勢というパラメータで管理されます。 戦闘開始時、姿勢は基本的に10の値を持ちます。姿勢の現在値が0以下になったキャラクターは相手の攻撃を許すことになります。

 戦闘はターン制で進行します。誰が一番早く行動できるのかを決定するのは、イニシアチブと呼ばれる値です。

イニシアチブの決定
イニシアチブはキャラクターごとに固有の値で、筋力と察知の能力値の合計です。イニシアチブが高いキャラクターから順番に行動します。 イニシアチブが拮抗した場合、制御値の合計が多いほうが先行します。 これも拮抗したなら、都度GMが判断します。原則、NPCよりもプレイヤーキャラクターを優先し、同じ陣営の味方同士なら相談して順番をきめます。



戦闘の手順

 戦闘などのラウンド処理に参加する各キャラクターは、自分のターンに以下のステップ1~5で行動します。 戦闘に参加している全員のターンが回るまでをラウンドと呼びます。

1.攻撃対象の決定  戦闘に参加しているキャラクターのうち、誰を攻撃するのか宣言します。このとき、PLが対象を自由に決定できますが、特殊な武器やルールを採用していない限り、複数人を対象とすることはできません。

2.使用する重心位置の決定  ターン開始時、戦闘する意思のあるキャラクターのPLは、このターンでどの重心位置を起点とするか選択します。このとき、どの重心位置を選んだか相手にわからないようにします。



3.防御宣言をうける
 攻撃対象にされたキャラクター(防御側)は、攻撃側が使おうとしている重心位置を推測し、その重心位置を宣言します。これを防御宣言と呼びます。

 防御側が重心位置の推測に失敗すると(防御宣言の失敗)、攻撃側は選んだ重心位置の制御値を公開し、制御値の分だけ実行力という値を獲得します。 逆に防御側が重心位置を言い当てたら(防御宣言の成功)、攻撃側は重心位置のなかで最も低い制御値をもつ重心位置を起点にして行動することになり、 この制御値の分だけ実行力を獲得します(この時どの重心位置が一番低い制御値をもっているのかを公開する必要はありません。一番低い制御値を自己申告します)。

 範囲攻撃が行われている場合、防御側が複数人いることになります。このとき、防御側の代表一人が防御宣言を行います。 この場合、防御宣言の結果が防御側全員に適用されます。防御側の過半数がPLで、かつPLが強く望むならば、それぞれが個別に防御宣言を行うことも可能です。最終的にはGMが判断します。

4.実行力を消費して行動する
 キャラクターは実行力を消費して、以下の行動ができます。 基本的に①②③の行動を1ターンに同時に行うことはできません。使える実行力を次のターンに持ち越したり、前のターンの実行力を使ったりすることもできません。

①姿勢を崩す
 姿勢を崩すことを宣言したキャラクターは、実行力の値だけ対象の姿勢を減少させます。
※範囲攻撃を行っている場合で、かつ相手が個別に防御宣言を行っている場合、防御宣言の成否によって、それぞれの相手に対する実行力は異なります。このため、それぞれの相手に対する実行力の値だけ姿勢を減少させます。

②技能の使用
 技能の使用を宣言したプレイヤーキャラクターは、そのターンでそれ以外の行動を行えません。 この場合、敵対者のうちの代表者1人が防御宣言を行います。このターン、キャラクターは実行力を20倍した値をこのターンにおいて集中力と同じように技能の成功率の上限として技能を使用します。 戦闘の最中のあせりや時間的制限のせいで、思うように技能を使えない、という状況になります。 実行力が3のとき、技能判定において60より大きい目標値で判定を行うことはできません。また、集中力による成功率の上限も補正に入ります。通常の技能判定の補正を全て課したうえで、この実行力による制限が追加で課されます。

③特殊行動(その他の行動)
 実行力は他の行動に使用することもできます。例えば戦闘中にアイテムを拾うために実行力が2以上必要、などとGMが指定すれば、攻撃以外の行動に適切な条件を与えられます。武器の特殊効果やマジックアイテムの使用の、溜めとして演出することもできます。 キャラクターは重心位置を決定する際に特殊行動することを宣言します。この場合、敵対者のうちの代表者1人が、防御宣言を行います。

④姿勢の回復
 実行力の値だけ自分の姿勢を回復します。 *この行動を行う場合、ステップ2において重心位置を選択する前に姿勢の回復のためにターンを消費することを宣言しなければなりません。また、妨害を宣言した全員の防御宣言が失敗した場合のみ実行できます。姿勢の回復を阻止したいキャラクターが妨害をすることを宣言し、妨害を宣言したキャラクターのうち一人でも防御宣言が成功すると、姿勢の回復は失敗します。 しかし、妨害を宣言した方のキャラクターもリスクを負います。防御宣言に失敗すると、姿勢の回復を行ったキャラクターのそれぞれの重心位置に設定された制御値のなかで最も低い制御値の分だけ、妨害宣言をしていたキャラクターの姿勢が減少します。これによる翻弄の蓄積はありません。 5.ダメージを与える
 相手の姿勢が0になったら、攻撃側は自分の姿勢の現在値+武器威力のダメージを相手に与えます。 武器威力は素手の状態で1d6で、武器を使用すると基本的にそれよりも高い武器威力を発揮します。 ダメージはそのままの値で怪我として相手に蓄積されます。また、範囲攻撃をした場合、その範囲攻撃で姿勢が0になったキャラクター全員に同じダメージを与えます。
*このとき、与えるダメージを意図的に少なくすることができます。殺さずに気絶させたい場合などに適用することを想定したルールです。

重心位置と制御値について
 キャラクターは3つの重心位置を持ちます。これは戦闘をするときに動きの起点となる重心の置き方であり、左がスペード、中心がダイヤ、右がクローバーで表されます。 そして、キャラクターには得意な動きがあり、得意な重心位置が存在します。 どの重心位置においてより効率的な動きができるのか、それぞれの重心位置に制御値という値を割り振ることによって表します。 制御値が大きいほど、その重心位置を選択したときの行動が有利になります。また、制御値はキャラクター固有の値で、戦闘中必要になるまで他のプレイヤー、GMには公開しません。
姿勢が0になった場合の処理
 戦闘中、誰かひとりでも姿勢が0以下になってダメージを食らったなら、 全員のターンが一周した(ラウンドの終了)後に、そのキャラクターの姿勢は上限まで回復します。 その間、すでに姿勢が0以下になったキャラクターに追撃して、さらに姿勢を減らしたり、ダメージを与えたりすることはできません。 また、姿勢が0になったキャラクターが自分のターンをむかえても、行動できません。



姿勢の現在値と上限値


 姿勢は種族として体格などの差が大きい相手と戦う場合を除き、10の上限値を持ちます。この上限値はめったに変動しません。戦闘開始時の姿勢の現在値は、上限値と同じ値を持ちます。 姿勢の現在値は、その時点で姿勢をどれだけうまく保てているかという指標です。これはあいての攻撃によって容易に削られます。 姿勢の上限値が減少するのは、姿勢の現在値が-5以下になった場合です。そのラウンドで姿勢が-5以下になった場合、ラウンド終了時の姿勢回復を行う直前に姿勢の上限値を-1します。この上限値の減少は、戦闘が終了するまで継続し、戦闘が終了した時点で元の上限値に戻ります。



翻弄


 防御宣言に失敗すると翻弄と呼ばれるポイントが1溜まります。これは一度防御宣言に成功するとどれだけ蓄積されていても0になります。 3まで溜まると翻弄状態に陥り、自分のターンが1回スキップされてしまいます。このとき、翻弄は0に戻ります。 姿勢の回復を妨害するための防御宣言において失敗しても翻弄が蓄積することはなく、翻弄の値は現状を維持します。しかし、防御宣言が成功したときは翻弄が0になります。



姿勢の回復


 キャラクターは、戦闘中に姿勢の回復をすることができます。姿勢の回復をする場合、ステップ3において重心位置を選択する前に姿勢の回復のためにターンを消費することを宣言します。そのあと、通常と同じように重心位置を選択します。 ステップ4において通常、防御宣言を行うのは攻撃対象に選択されたキャラクターですが、この場合は姿勢の回復を阻止したいキャラクターが、妨害をすることを宣言します。妨害を宣言した全員の防御宣言が失敗した場合のみ、姿勢の回復は成功し、選択した重心位置の制御値だげ姿勢を回復します。しかし、妨害を宣言したキャラクターのうち一人でも防御宣言が成功すると、姿勢の回復は失敗し、一切回復しません。 妨害を宣言したキャラクターが防御宣言に失敗すると、姿勢の回復を行ったキャラクターのそれぞれの重心位置に設定された制御値のなかで最も低い制御値の分だけ姿勢が減少します。これによる翻弄の蓄積はありません。



簡易ルール


 カメレオンTRPGの戦闘システムは煩雑でプレイにかなりの準備を要します。これを簡略化するためのルールがあります。 簡易ルールを使う場合、1d3を振って使用する重心位置を決定してゲームを進めます。1が出れば♠、2が出れば♦、3が出れば♣を選択したことになります。 このダイスロールで重心位置を決定した場合、これに対して防御宣言はできません。実行力はその重心位置の制御値を参照します。このルールを採用した場合、姿勢の回復はできません。



奇襲


 GMの判断で適切な技能を使い、成功すると戦闘が始まるまえに奇襲を仕掛けることができます。奇襲が成功すると、敵の中から任意の一人を選んで、その姿勢を2d2減少させられます。



制御値のシャッフルと振り直し


 プレイヤーは、戦闘中でなければいつでも、自身のキャラクターの制御値をシャッフルすることができます。シャッフルとは、スペード、ダイヤ、クローバーの各重心位置に割り当てられた値を、それぞれ別の重心位置に変更することを言います。この際それぞれの値は変更できません。位置を移動することで、GMが読みあいの際に前回のバトルのせいで有利になるのを防ぐ目的のルールです。 また、ルーティンをしたタイミングでプレイヤーはキャラクターの制御値を自由に振りなおすことができます。このとき、制御値の合計を変えることはできませんが、シャッフルとは違ってそれぞれの値を変更できます。



武器


 武器には、武器威力、特殊能力(なくても可)のパラメータを設定します。 武器威力は相手に怪我を与えるときのダメージ量で、ダイスを使って乱数にすると盛り上がるかもしれません。 武器を扱えるようになるには、武術経験値を1使用して、習熟しておく必要があります。 キャラクターがどれだけの武術経験値を得られるかは、キャラクターで説明します。 特殊能力は世界観に合わせて自由に決めてください。
 以下、武器の例です。世界観やシナリオをつくるときの参考にしてください。

拳銃
 実行力*10の値の成功率で、姿勢を削る必要なく相手にダメージを与える。ダメージは自分の姿勢に関係なく2d10固定。
如意棒
 筋力値の十分の一(切り捨て)の人数に対して姿勢を削る目的での全体攻撃を仕掛けられる。
巨人切りの大剣
 姿勢を7以上のこしてダメージを与えた場合、相手を確殺する。
月の笛
 このアイテムを使うのに武器習熟は必要ない。代わりに楽器を扱える技能を持っていなければならない。戦闘時、複数ターンかけてこの笛に実行力を溜めることができる。実行力が15溜まった時点で相手を全員眠らせる。一回使った後に再使用可能にするには、満月の光に一晩さらす必要がある。



種族別姿勢


 姿勢の値は、筋力の絶対能力値を比べて決定します。 低いほうのキャラクターの姿勢を10として、筋力の絶対能力値の比だけ、高いほうの姿勢を大きくします。 たとえば筋力の絶対能力値が5と20なら、姿勢は10と40になります。

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